黒い糸

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天使の頬杖 (25)

天使の頬杖 (25)


♥目次♥

!必読!読まれましたか?★ 

★機上恋シリーズ文庫3冊の帯企画4弾、〆キリました。ご応募ありがとうございましたm(__)m ★

 

 

「二人を同時に刺し殺す夢だったんですね。感触を覚えていますか?」
「――覚えて…います…」

噛みしめながら、要が言う。

「どんな風でした?」
「いい加減にしろっ!」

矢継ぎ早に続ける西野に、亮二がまた切れる。

「お父さん、怒らないで!」
「もう十分だ。何も答えるな。何も訊きたくない」
「レイ…あなた…、全く…」

蔑んだように、西野が亮二を見た。
それから深呼吸を二回繰り返し、先を続けた。

「いい加減にするのはレイでしょ。何も訊きたくないって、笑わせないで欲しいですね。要クンが味わった恐怖を要クン一人に抱え込ませるつもりですか」
「お前に要の何がわかる」
「私には何も分からないと?」

西野の眼光が強く、亮二は言い返す言葉を見失った。
亮二が口ごもった隙に、要が口を開く。

「ぶるん、って…ぶるん、って…。僕、何度も…何度も…何度もっ、…大笑いしながら、刺して…動かなくなっても刺して…お父さんも先生も僕も赤くなって…あの時みたいに、真っ赤になってっ…でも死んだのは僕じゃなくて…」

要が混乱しているのが大人二人に伝わった。
『あの時が』いつを指すものか、亮二にはわかる。
二人が出会った、あの殺戮の夜のことだ。

「分かりました。大丈夫ですよ、要クン。あなたが現実にレイや私を殺すことは絶対にありませんから。私達だけなくて、他の誰も殺さないし、殺させない。怖かったですね。その恐怖を忘れないでいれば、大丈夫です。忘れてはいけませんよ。忘れなければ、それはただの夢です。本当に人を殺せる人間は、それが夢だと知ると『残念』と思ってしまうものです。目が覚めてから恐怖を感じることはありません。要クンは賢いので『深層心理』という言葉を知ってると思いますが、決して夢の内容が要クンの深層心理ではありません。人を楽しんで殺したいとか、レイや私を殺してしまいたい、と思っているわけではありません。私の目を見て下さい…じっと見て…さあ、楽しい夢を見ましょう。あなたの大好きなレイに、愛される夢です。身体も心も、全部愛されます…ワン、ツー、スリー」

西野がカウントすると、要の身体から力が抜けた。

「催眠術か?」
「私にそんなスキルあると思います? 要クンの意識が自ら楽になることを望んだんです。催眠という言葉を使うなら要クンの自己催眠です。それをヘルプしただけですよ。要クンをちゃんと寝かせてあげましょう。私達は、要クンのことについて、話をする必要があります」

先に向こうに行ってますと、脱いだ服に袖を通した西野が寝室を出る。
要をベッドにきちんと寝かせ着衣を整えてから、亮二は西野の元に向かった。

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